物語
ムクロシスは「剛強」と呼ぶにふさわしいあらゆる品格を備えている。大きな志を持ち、それに向かう努力も怠らない。朝は朝霧とともに起き、月とともに家に帰り、自分の技を磨こうと精進を続ける。月日はめぐり季節は流れ、風や雨や氷雪が通り過ぎ、人々はやってきては去っていく…だがムクロシスは自分の来た道を振り返ることはよしとしない——ムクロシスにとって「剛強」とは永遠に手の届かない憧れの彼方であり、自分ができることと言えばその目標に近付くことだけ。それを支えるものが何なのか、コツマルを見るとその目に浮かべる寂しさはなぜなのかは、誰も知らない。







