物語
風が吹くたび、ビニーヌは地面から吹き上げられ、荒々しい空に舞う。ビニーヌが生まれた理由はいたってシンプル。重みを支え、中身で満たされることだ。人の指が取っ手に掛かり、商品が1つ、また1つと懐に収められていく…その時こそが、ビニーヌの価値が頂点に達する瞬間。体は満たされ、使命も明白だった。だが、すぐに中身は取り出され、存在意義までもが虚しく消えていく。スーパーからアパートまでの道のりで、その存在意義は「有益」から「無益」へと変わってしまう——ビニーヌはそんな自身のあり方を深く問い続けており、その姿は代々の実存主義哲学者たちに、終わりのない思索の種を投げかけてきた。









